電気代がさらに値上がり⁉ 東北電力が発表した燃料調整費の上限撤廃とは?
みなさま、こんにちは!
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有限会社佐々木商店の安田です。
本日は東北電力が発表している「燃料調整費の上限撤廃」について解説していきます。
【目次】
- 燃料調整費額って何?
- 燃料調整費額の上限撤廃とは?
- 電気代高騰の対策として何をすればいいの?
1.燃料調整費とは?
電気料金プランには、”燃料費調整額”という項目が含まれています。電気明細書をご確認頂ければ、その項目が記載されていることがお分かり頂けます。「燃料調整額とは何か?」、「何故、燃料調整額を支払わなければいけないのか?」について、分かりやすく説明させていただきます。
燃料調整額とは、電気料金の算出項目の1つになります。そもそも電気料金プランの内訳は下記になります。
出典:経済産業省(https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/stracture/spec.html)
燃料費調整額は、電力会社が発電するのに必要な燃料(液化天然ガス;LNG、石炭、原油等)の価格変動を電気料金に反映させるためのものです。電気代から燃料費の変動に応じて加算あるいは差し引いて計算します。加算あるいは差し引かれるのかは、各電力会社が設定している基準価格に準じます。
昨今、電気料金が高騰し続けていますが、その最大の要因は「燃料価格」が大幅に値上がりしており、発電コストが非常に高くなっているためです。一般企業の場合、仕入れ値が上がったとしても、販売価格は企業努力の範疇内になります。何故、電力会社は燃料価格の上昇分を、私たちの電気料金に転嫁することができるのでしょうか。
それは国が定めた「燃料調整制度」が法的根拠となっています。下記、経済産業省は燃料費調整額を電気料金に含める目的を次のように説明しています。
”燃料費調整制度は、事業者の効率化努力のおよばない燃料価格や為替レートの影響を外部化することにより、事業者の経営効率化の成果を明確にし、経済情勢の変化を出来る限り迅速に料金に反映させると同時に、事業者の経営環境の安定を図ることを目的とし、平成8年1月に導入されました。”
引用:経済産業省「燃料調整制度について」(https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/fuel_cost_adjustment_001/#:~:text=%E7%87%83%E6%96%99%E8%B2%BB%E8%AA%BF%E6%95%B4%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%A8,%E3%81%AB%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82)
つまり、電気は私たち生活に欠かせないものだからこそ、供給不安になってはいけない。安定した供給を実現するためには、電力会社の経営も安定していなければなりません。燃料価格は外部環境に大きく左右されやすいため、国の重要なインフラに関わる電力供給は制度によって守られているのです。
一般消費者の電気料金から徴収されているのは、「腑に落ちない!」と感じるかもしれません。ですが、「①生活に欠かせない電力供給の恩恵を受けているコト」と「②常に徴収されている訳ではなく、基準値よりも低い場合は差し引かれるコト」などを考えれば、転嫁されてしまうのはある程度仕方ないことだとも言えます。
2.燃料調整額の上限撤廃とは?
電力会社によって燃料費は異なりますので、燃料調整額は異なります。燃料費によって加算・減算されるとお伝えしてきましたが、実は上限設定があります。
燃料調整額が上がり続ければ、私たちの電気料金も上がり続けます。これでは電力会社の匙加減1つで青天井になってしまいます。そこで消費者保護の観点から、料金自体が法律で決められているだけでなく、燃料費調整単価の上限が設定されているのです。したがって、燃料費の高騰で上限に達した場合、それ以上は値上がりしません。
しかし、現在の為替レートの変動やロシアによるウクライナ侵攻といった国際情勢を背景に燃料価格が高騰し続けています。このままでは電力会社の経営が非常に不安定になります。実際、東北電力は2022年度通期の当期純損益は1800億円の赤字と発表しています。
参考:東北電力(https://www.tohoku-epco.co.jp/news/press/1228564_2560.html)
そこで各電力会社は燃料調整額の上限を撤廃し、安定した経営を図ろうとしています。これにより、さらに電気料金が上昇するのは確実です。これが昨今ニュースで騒がれている電気料金高騰の最大要因の1つなのです。
ここで各電力会社の燃料調整額単価の推移を見ていきましょう。
<各電力会社の燃料調整額単価(円/kWh)>
<各電力会社の燃料調整額単価(円/kWh)>
北海道
電力 |
東北
電力 |
東京
電力 |
北陸
電力 |
中部
電力 |
関西
電力 |
中国
電力 |
四国
電力 |
九州
電力 |
沖縄
電力 |
|
2021年
10月 |
-0.99 | -0.6 | -2.04 | 0.53 | -3.38 | 0.1 | 0.07 | 0 | -0.57 | 0.13 |
2021年
11月 |
-0.59 | -0.11 | -1.53 | 0.87 | -2.87 | 0.45 | 0.59 | 0.41 | -0.28 | 0.79 |
2021年
12月 |
-0.28 | 0.31 | -1.09 | 1.14 | -2.38 | 0.79 | 1.05 | 0.76 | -0.01 | 1.33 |
2022年
1月 |
0.06 | 0.82 | -0.53 | 1.47 | -1.79 | 1.2 | 1.59 | 1.16 | 0.33 | 1.96 |
2022年
2月 |
0.63 | 1.83 | 0.74 | 1.96 | -0.44 | 2.03 | 2.52 | 1.82 | 0.89 | 2.91 |
2022年
3月 |
1.16 | 2.67 | 1.83 | 1.77 | 0.68 | 2.24 | 3.19 | 2.35 | 1.34 | 3.73 |
2022年
4月 |
1.4 | 3.05 | 2.27 | 1.77 | 1.17 | 2.24 | 3.19 | 2.55 | 1.57 | 3.98 |
2022年
5月 |
1.56 | 3.36 | 2.74 | 2.67 | 1.61 | 3.27 | 3.9 | 2.78 | 1.72 | 4.33 |
2022年
6月 |
1.93 | 3.6 | 2.97 | 2.91 | 1.77 | 3.42 | 4.21 | 3.06 | 1.85 | 4.8 |
2022年
7月 |
3.23 | 4.66 | 4.15 | 3.8 | 2.77 | 4.13 | 5.46 | 4.12 | 2.48 | 6.57 |
2022年
8月 |
4.75 | 5.86 | 5.1 | 5.02 | 3.66 | 4.9 | 7.03 | 5.51 | 3.32 | 8.94 |
2022年
9月 |
6.82 | 7.67 | 6.5 | 6.81 | 5.06 | 6.14 | 9.43 | 7.57 | 4.61 | 12.45 |
2022年
10月 |
8.39 | 9.46 | 8.07 | 8.28 | 6.76 | 7.47 | 11.56 | 9.31 | 5.87 | 15.33 |
参考:新電力ネット(https://pps-net.org/statistics/adjust)
<東北電力の燃料調整額の推移(円/kWh)>
参考:新電力ネット(https://pps-net.org/statistics/adjust)
燃料調整額は上記の単価×使用電力量で算出することができます。例えば、東北電力(従量電灯Bプラン)で毎月500kWhの電力を使用されているご家庭であれば、
500kWh×9.46円/kWh=4730円
燃料調整額だけで5000円近くも支払うことになります。2021年10月であればマイナス調整となっていますので、電気料金から300円差し引かれていました。したがって、ちょうど1年前と比較すると、5000円の値上がりとなっているのです。
ただし、東北電力においては上限撤廃の適応が2022年12月となるため、11月までは上限である3.47円/kWhとなっています。12月からは上限撤廃が適応されますので、上記の表で示した単価(以上)になるのは確実です。
どれくらいの影響額になるのかは、東北電力が出している「燃料費調整制度見直し影響額シミュレーション」(https://nenryohi-chosei.tohoku-epco.co.jp/sim/index.html)をご活用してみてください。
3.電気代高騰の対策として何をすればいいの?
今までに説明してきたような状況では、私たちが選べる選択肢は主に3つです。
1つは「何も対策せず上がり続ける電気代を支払い続ける」、2つ目は「省エネ行動で節電していく」、最後は「省エネ機器(太陽光発電や蓄電池、エコキュートの買替)」になります。
1つ目を選ぶ人はほとんどいらっしゃらないでしょう。何故なら、下記の図をご覧ください。もし何も対策せずに電気代を支払い続けると、30年間で見ると400万円以上は支払うことになるからです。これは価格を固定していますので、昨今の電気代の上昇率を考慮すれば、さらに上がっていくことは間違いありません。
2つ目は1つの手になります。ですが、どのくらい徹底すれば大きな節電効果が得られるかを考える必要があります。下記は経済産業省が指標として出しているものをまとめました。
多くのご家庭ですぐに始められる取り組みとして挙げられますが、実際にどのくらい電気代を削減できるでしょうか。資源エネルギー庁の発表によると、「エアコン」「冷蔵庫」「照明」で全体の60%を占めており、それら機器の省エネ行動をもとに節電すると、年間505kWh・13,000円ほど効果があると言われています。皆様はどこまで徹底されていますでしょうか?
最後の3つ目は、省エネ機器の導入です。特に弊社がオススメしているのは太陽光発電となります。何故なら、その大きな経済メリットがあるからです。太陽光発電は太陽が出ている昼間に発電するため、お昼の電気代をほぼ賄うことができます。加えて、ご家庭で使う以上に発電してくれるため、余った電気は電力会社に売ることができ、毎月のちょっとしたお小遣いになります!
電気代だけで言うと、当社で設置されたお客様の場合、設置前は月々15000円だったのが月々5600円になりました。月々9400円、年間だと10万円以上の電気代削減効果となりました。
太陽光発電に蓄電池を導入して、お家をスマートハウス化すれば更に電気代が安くなります。節電の場合、毎日意識して行動しないといけないにも関わらず、徹底しないといけません。その割にはそこまで電気代削減効果は見込めません。
スマートハウス化すれば電気代削減だけではなく、停電対策にもなります。小さなお子さまやご年配の方と一緒に過ごされているご家族にとっては、損のない商品となります。多くの恩恵がある商品だからこそ、今は当たり前に導入されているのです。
もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、佐々木商店までご相談くださいませ。最後までお読み頂きましてありがとうございました。
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